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もやもやなきもち
「とら……ちゃん?」
「ん?おー里栖、今帰りか。」
「う、うん。」

帰り道、後ろから声をかけたけど、ほんとは自信なかった。
服には見覚えあるんだけど、なんだかその後姿が
やけに大人びてしまってて、ほんとに虎ちゃんの背中なのかなって
そう思いながら声をかけた。

「虎ちゃん、背中がおとーさんに似てきた気がする。」
「オヤジさんにか?」
「うん。」

体格とか全然違うのに、なんだかそんな風に見えたんだ。

「まー俺様の憧れだしなーオヤジさん。」
「憧れって、なんで?」
「里栖の父親だかんな。」

その言葉を聞いて、なぜだか心がちくっとした。

「虎ちゃんは……あたしのおとーさんになりたいんだ?」
「や、そういうんじゃねーけどよ。」
「だって憧れてるって言ったべや!」
「お、おいおい何怒ってんだよ。落ち着けって。」

なんでだろ、そんなのわかんない。
モヤモヤする、あたし、なまらヤな子だ今……。

「チャコちゃん家に泊まるのとか……やめなや。」
「えー、なんでだよ今更。」
「女の子の一人暮らしのトコに泊まるなんて、おかしいしょや。」
「普通はなー、でも千夜呼は……。」
「なんでチャコちゃんだけ特別にするんだべさ!」

立ち止まって、気付いたらそう叫んでた。
あたしきっと今、なまら酷い顔してる。
それだけは自分で分かってたから顔をあげられなかった。

あたしなんで、こんなこと言ってるんだろ。
子供みたいに理不尽、我儘に感情をぶつけてるだけ。
虎ちゃんはきっと怒らない、そういう人だから。

ああ、思い出した。
小さい頃おとーさんが、女の人と会ってたのを見た時に味わった
あの時のキモチとそっくりだ…。

暫くの沈黙のあと、虎ちゃんが口を開いた。

「特別だよ千夜呼は、他の奴らに比べりゃ。」
「………っ。」
「でもそんな千夜呼より、お前のが特別な。」

頭をぽんぽん優しく撫でられた。
穏やかで優しい声だった。
あの唄を歌ってくれたときと同じ。
あたしのために作ってくれた、あの唄……。

「寒ぃなー、早く帰んべ。風邪ひいてクリスマスできねーの嫌だろ?」
「……………うん。」

あたしの方が2つもお姉さんだけど、昔からこうやって
いじめられたりして泣いてるあたしを助けてくれて
家まで連れて帰ってくれたのは虎ちゃんだったんだよね。

昔みたいに手を繋いでって言うと
『やっべ、超ラッキー!』なんて言って虎ちゃんは
昔と変わらないヤンチャな笑顔を見せてくれた。

クリスマスが待ちきれない12月6日の出来事。
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【2007/12/06 23:20 】
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