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風邪っぴき
熱があったから、学校をお休みしたんだわ。

「うっす、熱さがったか?」

「ううん、まだ…来てくれたんだ虎ちゃん。」

「当たり前だろ?ほれ、ひえピタ。リンゴ食えるか?」

「うん、食べる。」

そう言って虎ちゃんはベッドの横に座ってリンゴを剥いてくれた。
はわ、ちゃんとうさちゃんリンゴになってる…!
実は器用なんだよにゃー虎ちゃんって、料理も出来るし。
あたしが食べてると、虎ちゃんは満足そうに笑って見てた。

「ごめんなさい。」

「え、何が?!」

「バイト、休んできてくれたんでしょや。」

「知らね。」

ぷい、と虎ちゃんは背を向けて本棚を漁りだす。
相変わらず少女漫画ばっかだなーと言いながら、ぺらぺらめくっている。
ふと、なんだか違和感を覚えた。

あれ、虎ちゃんの背中ってこんなんだったかな。
こんなにしっかりしてたかな。

「虎ちゃんって……前からそんなんだったかい?」

「はぁ?何言ってんだ里栖、俺様は前から俺様だろ。熱でボケてんか?」

「えと、そうでなくて……んと………。」

「あーもー熱上がんぞ、寝れ寝れ!」

と、強制的に寝かされてしまった。
あれ、こんな顔だったかな、あれ、あれ。

「虎ちゃん…………顔変わった?」

「整形ならしてねーぞ。」

「うん……でも、前となんか違うべや。」

「そーかぁ?あー…千夜呼の世話ばっか妬いて老けたんかもな。」

初めて会ったときは小学生だったっけ。
その頃のイメージから、あんまり変わってなかったけど
高校に入ってから、なんだか急激に変わった気がする。

変わっちゃうのかな、この関係も。
いつかお互い会うことすら……無くなっちゃったりするのかな。

「……な、なに泣いてんだ里栖?!どっか痛ぇんか?!」

「うぅ~~~、虎ちゃんがどっか行っちゃう~~~。」

「ちょ、ここにいんだろーが!幻覚か?!救急車よぶか?!!」

慌てふためく虎ちゃんを捕まえて、なんとか思ってることを説明したら
『アホか』の一言で片付けられちゃった……。
虎ちゃんにバカにされた……屈辱なんだわ。

でも、溜息を一つついて、虎ちゃんは変わらないって約束してくれた。
ユビキリのあと、絡めた小指はしばらくほどかなかった。
ベッドに頬づえついて笑うその顔は、やっぱり前より大人びて見えたんだ。

「絆創膏の下、治らない?」

「ん、多分一生治んね。」

左頬の絆創膏の下には、産みの親に煙草の火を押し付けられて出来た
やけどの痕が今も残ってる。
見て気分いいものじゃないから、といつも絆創膏で隠してる。
あたしもその下は、1度しか見たことがない。

気が付いたら虎ちゃんは、いつも人の事ばっかり。
もっと自分本位に生きていいべさ…、おばさんもそう言ってたよ?

「虎ちゃん、ありがとね。」

「ん。」

「絆創膏、かっこいいよ?」

「……なんだ急に、き、気持ち悪ぃぞ。」

「照れてるー顔真っ赤だべさ、あははっ。」

「びょ!病人のくせに人からかって遊んでんじゃねー!さっさと寝ろ!!」

バカでやらしくて器用でぶきっちょで優しい幼なじみがいて
あたしは幸せなんだわ。
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【2007/09/15 02:38 】
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