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SKY
「おはようお父さん。」
「はよう。あー、今日から新学期だったなぁ。」

食卓に朝食を用意し終えると、仏壇に花を供える。
「おはよう、お母さん。」
写真に向かって、あたしは微笑む。
その花と同じくらいやわらかく温かいお母さんの笑顔に、負けないように…。

今日も、一日が始まる。



「しっかし早いもんだなぁ…もうおめーも高校2年生か。
 だんだん里久に似てきて、父ちゃんちょっとドキドキだべさ。」

お父さんは、あたしの作った相変わらず形の悪い玉子焼きを頬張りながら
懐かしそうに笑った。

両親たちが付き合い始めたのが、ちょうど16歳の頃。
周囲に猛反対されつつ結婚したのが18歳。
あたしを産んですぐ、お母さんが亡くなったのが20歳。
それからあたしとお父さんは、16年間ずっと二人きりで暮らしてきた。
お母さんがいない寂しさを、感じなかったわけじゃなかったけれど
毎日楽しかったし、自分が不幸だなんて思ったことはなかった。
むしろ、いつだって幸せだった。
小さな幸せだって、かみしめれば心の中いっぱいに広がるんだから。


16歳、両親がお互い『運命の人』を見つけた時と同じ年。
やっぱりどこか期待せずにはいられない。
あたしにも素敵な王子様が現れるんだろうか…。

「りーすー、聞いてるか?」
「え、あ、ごめん聞いてなかった。」
「しょうがねーなぁ…だから、卒業後の事だよ。」

そう、そろそろ進路相談が始まる時期。
何になりたいのか、何処へ行きたいのか。
自分のことを話すのが苦手なあたしを、お父さんはいつも心配してくれていた。
つい、箸をくわえたまま俯いて、黙ってしまう。
こんな風になってしまっても、お父さんはいつだって
じっと、待っていてくれる。
考える時間をくれるお父さんが、大好き。

それから数分後、あたしはやっと意を決して口を開いた。

「お父さんと同じ…航空自衛隊に入りたいって言ったら、嫌かい?」

あまりに予想外だったのか、お父さんは鳩が豆鉄砲食らったように
あっけにとられてしまっていたけれど、暫くすると
お母さんの写真に視線をやったまま、ぽつりと呟いた。

「……あんまり賛成はしたくないのが本音だわ。」
「やっぱり嫌、なんかい?」
「有事ん時、可愛い一人娘を自分とおんなじ戦場に立たせたいなんて思う親
 いるわけねーべや。」
「……ん。」

どう返していいか解らなくて、固まってしまったあたしの頭を
お父さんが突然わしわし撫でたくった。
顔を見ると、いつもの笑顔。

「それにな、自衛官になるには身長160センチ必須なんだわ。」
「え、えぇっ?!!」
「だっはっは、嘘嘘! そんなんあるわけねーべや。」
「お、おとーさんっっ!!」



小羽都里栖、16歳。
将来の夢、お父さんと一緒に、空を飛ぶこと。
将来の夢2、お父さんみたいな人と、幸せになること。
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テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム

【2006/08/20 00:29 】
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