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聖なるイヴにラストラヴソングを
「ふわぁあ!ゆき、雪だよ虎ちゃん!」
「おー・・・・って道産子なら雪なんて見慣れてんじゃねーの?」
「そうだけど綺麗だし、やっぱりなんか楽しくなっちゃうべさ!」

そっか、と虎ちゃんは笑って空を見上げた。
あれ、雪降るといつも真っ先に走り出してたのに…。
ううん、虎ちゃんがヘンなの、今日に始まったことじゃない。
最近ずっと、なんか上の空だったもん。

「虎ちゃん、どうかしたかい?悩み事かい?」
「なぁ里栖。」

目を合わせようとしてくれないまま、静かに虎ちゃんが呟く。
「決めてたんだ、もうずっと前から・・16のクリスマスでケジメつけるって。」
「けじめ…?」
「あー、つっても明日から嫌いになるとかってわけじゃねーからな?」

話が飲み込めない。
なんの話をしてるんだろ。

頭をかいて笑ってたかと思うと、ふいに虎ちゃんは真面目な顔になった。

「いったいどうしちゃったんだべさ、虎ちゃ…っ!」

気が付くとあたしは、すっぽり虎ちゃんの腕の中に収まっていた。



しんしんと降る雪の中、聞こえるのは微かな吐息と静かな鼓動。
いつもなら何するんだべさーってすぐ離れるけど
今日は……それが出来なかった。
離れたらもうおしまい、そんな風に感じていたから…。


「これが・・・・・・最後だ。」

その言葉に心臓が大きくはねた。
虎ちゃんは大きく息をはく。
そして、抱きしめる腕の力が強くなる。

「…好きだ、里栖。昔から…いや、昔よりずっと、すげぇ好き。」

最後、最後ってなに?
どんなに大好きな絵本も『おしまい』の後には何もない。
そしていつか、忘れられてしまう…?

「…もう…これから…あたしのこと好きでいてくれないの?」
「アホ、さっき言っただろ。そういう意味じゃねーって。」

いつだって虎ちゃんは真っ直ぐあたしを見ててくれた。
側にいてくれた。
どこにも行かないって分かってたから、安心しきってた。
あたしはただ、曖昧に返事をしてるだけでよかった。
虎ちゃんの優しさにつけこんでた。
あたしは、ずるい子だった…。


だけどもうダメなんだ、最後なんだ。
虎ちゃんはもう、誰か他の女の子と、どこかへ行っちゃうんだ。
あたしはこれが、ほんとは1番こわかったのに……。

「なんで里栖が泣くんだ、俺は大丈夫だから正直に言えよ。」
「…やだ…やだよ虎ちゃん…。」
「マジかよ、そこまで嫌われてんか俺・・・。」
「ちがう…どこにも行っちゃやだって言ってるんだべさ…。」
「別に行かねーって。」
「うそだぁぁあ!うわぁあああん!」
「えー、泣き所わかんねー・・・・つか鼻水つくから泣くな。」


おとーさんにしがみついて泣く子供みたいに、暫くそうしてた。
虎ちゃんは背中をぽんぽんって、たたいてずっとなだめてくれた。

ひとしきり泣いて、おさまると虎ちゃんが口を開いた。
「悪ぃんだけどよ、今日はキッチリ結論でるまで帰せねーから。」

泣いてる間、ずっと考えてた。
今まで考えないようにしてた事も、本当の気持ちも、どうしたいのかも。
そうしてやっと、一つの答えがでた。
それはとてもとても、笑っちゃうくらいシンプルなことだった。

「…ごめんなさい。」
「そか。」
「人の話は最後まで聞きなや、おたんちん。」
「あー、あんま聞きたくねーんだけどなー。」

胸に押し付けてた頭でそのまま頭突きすると、虎ちゃんは軽くむせた。

「今まで虎ちゃんに甘えて、利用してた。だからごめんなさい。」
「おう。」
「これからも……一緒にいてほしいんだわ。」
「おう。」
「…………それだけ?!」
「あ?なにが?」


顔を見合わせ、お互いクエスチョンマーク、そして沈黙。

「え、だからこれからも幼なじみとして一緒にいましょうねってことだろ?」
「あたし一言もそんなこと言ってないしょや。」
「ちげぇの?」
「ちげぇの……っ!」

虎ちゃんは首を傾げて考え込む。
なんてニブチンなんだべさ…。
人が落ち込んでる時とか、真っ先に気付くくせに。


「もぉ!いいから黙ってあたしのこと彼女にしなや!!」
「………………は?!」
「あたしが彼女だと困る?なにか問題あるかい?!」
「と、とんでもないっス!!恐悦至極っス!!」

まだいまいち思考回路が停止気味の虎ちゃんは、目を真ん丸くしてる。
あたしはそんな虎ちゃんの頬を両手で包んだ。

「うお!」
「………ごめんなさい、長い間ずっと。」
「7年ごしの片思い・・・・終わったんか・・・・?」
「うん。」
「ありえねぇ、しんじらんねぇ、こんな結末予想してなかった。」
「虎ちゃん………すき。」


虎ちゃんは笑って、それから泣いた。
カッコ悪くてごめんって言いながら。
何度もありがとうって言いながら……。

カッコ悪くなんてないよ。
その涙は、今まで見た誰の涙より綺麗だったよ。





ごめんなさい、ありがとう、これからもよろしく。

大好きなあたしの幼なじみ兼、彼氏さんへ…。
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テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム

【2007/12/25 03:20 】
日記 | トラックバック(0)
テスト結果
銀誓館学園高等部 2007年後期中間考査

千尋谷キャンパス 高校3年1組 名前: 小羽都・里栖

教科 点数 総合順位/平均点 キャンパス別
現代文 99 点 15 位/ 64.5 点 1 位/ 63.9 点

古文 98 点 34 位/ 63.7 点 2 位/ 61.6 点

数学 50 点 3080 位/ 63.8 点 259 位/ 62.3 点

化学 47 点 3291 位/ 63.6 点 307 位/ 63.2 点

物理/生物 90 点 176 位/ 64.3 点 16 位/ 64.1 点

日本史 84 点 357 位/ 63.8 点 32 位/ 64.1 点

世界史/地理 93 点 94 位/ 63.5 点 10 位/ 63.5 点

英語(リスニング) 82 点 390 位/ 63.2 点 28 位/ 63.6 点

英語(筆記) 91 点 119 位/ 63 点 10 位/ 62.5 点

総合 734 点 56 位/ 573.8 点 4 位/ 569.2 点

うぅう、あたしホントなまら理数系だめだにゃー…。
【2007/12/21 17:32 】
キーワード | トラックバック(0)
もやもやなきもち
「とら……ちゃん?」
「ん?おー里栖、今帰りか。」
「う、うん。」

帰り道、後ろから声をかけたけど、ほんとは自信なかった。
服には見覚えあるんだけど、なんだかその後姿が
やけに大人びてしまってて、ほんとに虎ちゃんの背中なのかなって
そう思いながら声をかけた。

「虎ちゃん、背中がおとーさんに似てきた気がする。」
「オヤジさんにか?」
「うん。」

体格とか全然違うのに、なんだかそんな風に見えたんだ。

「まー俺様の憧れだしなーオヤジさん。」
「憧れって、なんで?」
「里栖の父親だかんな。」

その言葉を聞いて、なぜだか心がちくっとした。

「虎ちゃんは……あたしのおとーさんになりたいんだ?」
「や、そういうんじゃねーけどよ。」
「だって憧れてるって言ったべや!」
「お、おいおい何怒ってんだよ。落ち着けって。」

なんでだろ、そんなのわかんない。
モヤモヤする、あたし、なまらヤな子だ今……。

「チャコちゃん家に泊まるのとか……やめなや。」
「えー、なんでだよ今更。」
「女の子の一人暮らしのトコに泊まるなんて、おかしいしょや。」
「普通はなー、でも千夜呼は……。」
「なんでチャコちゃんだけ特別にするんだべさ!」

立ち止まって、気付いたらそう叫んでた。
あたしきっと今、なまら酷い顔してる。
それだけは自分で分かってたから顔をあげられなかった。

あたしなんで、こんなこと言ってるんだろ。
子供みたいに理不尽、我儘に感情をぶつけてるだけ。
虎ちゃんはきっと怒らない、そういう人だから。

ああ、思い出した。
小さい頃おとーさんが、女の人と会ってたのを見た時に味わった
あの時のキモチとそっくりだ…。

暫くの沈黙のあと、虎ちゃんが口を開いた。

「特別だよ千夜呼は、他の奴らに比べりゃ。」
「………っ。」
「でもそんな千夜呼より、お前のが特別な。」

頭をぽんぽん優しく撫でられた。
穏やかで優しい声だった。
あの唄を歌ってくれたときと同じ。
あたしのために作ってくれた、あの唄……。

「寒ぃなー、早く帰んべ。風邪ひいてクリスマスできねーの嫌だろ?」
「……………うん。」

あたしの方が2つもお姉さんだけど、昔からこうやって
いじめられたりして泣いてるあたしを助けてくれて
家まで連れて帰ってくれたのは虎ちゃんだったんだよね。

昔みたいに手を繋いでって言うと
『やっべ、超ラッキー!』なんて言って虎ちゃんは
昔と変わらないヤンチャな笑顔を見せてくれた。

クリスマスが待ちきれない12月6日の出来事。
【2007/12/06 23:20 】
日記 | トラックバック(0)
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